子宮頸がん・子宮体がんなりやすい人の
特徴と症状チェックリスト

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子宮のがんとは

女性にとって、子宮のがんである「子宮頸がん」「子宮体がん」は身近な病気の一つであり、それぞれ原因や症状が異なります。今回は、子宮頸がん・子宮体がんになりやすい人の特徴や初期症状についてご紹介します。

子宮体がんの症状チェックリスト

子宮頸がんになりやすい人の特徴は?
見た目でわかる?

子宮頸がんの罹患と死亡数

子宮頸がんは、性交渉の経験がある女性であれば誰でも発症する可能性があります。子宮頸がんの95%以上は、ヒトパピローマウイルス(HPV)というウイルスの感染が原因です。性交経験がある女性のうち50~80%は、HPVに感染していると考えられています。

性交渉の回数やセックスパートナーの数が多いと、HPVの感染機会が増えることは事実です。しかし、一度の性交で感染する可能性も多分にあるため、「男性経験が豊富だからHPVに感染した」という認識は誤りといえます。

国立がん研究センターの調査によると、20代後半から徐々に罹患率(病気にかかる確率)が増え始め、30歳代後半から40代がピークになっています。

子宮頸がんは見た目で分かる?どんな初期症状?

子宮頸がんは初期症状がほとんどなく、
見た目ではわからない

子宮頸がんは初期症状がほとんどない点が特徴で、子宮の入口の部分にできるがんのため、医療器具を用いた検査を行わない限り、見た目では分かりません。

がんが進行すると、性交時の出血や、下腹部の痛み、おりものの異常などが現れます。しかし、これらの症状が出る頃には、がんが進行している場合が多く、発見が遅れると治療が困難になります。無症状であっても、2年に1回の定期的な検診を受けましょう。

子宮頸がんはワクチンで
予防できる?

子宮頸がんは、ワクチンで予防できる病気です。性行為を経験する前に接種することが推奨されていますが、すでに性交経験がある方でも、今後の感染を防ぐ効果が期待できます。医師と相談して、ワクチンの接種を行いましょう。

仙台駅前婦人科クリニックでも、「シルガード9(子宮頸がんワクチン9価)」と「ガーダシル(子宮頸がんワクチン4価)」という2種類のワクチン接種を行っています。

シルガード9は、子宮頸がんの原因となるHPVの9つの型に対応しており、ガーダシルは4つの型に対応しています。詳細は、当クリニックの子宮頸がんワクチンのページをご確認ください。

子宮頸がんの生存率は?

子宮頸がんの生存率

子宮頸がんに罹患しても、がんが進行していない「Ⅰ期」の段階であれば、早期の治療によって5年生存率92.5%というデータがあります。また、異形成や上皮内がんといった、前がん病変(がんになる手前の状態)であれば、ほぼ確実に完治が目指せます。

がんの進行度はⅠ期〜Ⅳ期のステージに分類され、Ⅰ期はがんが子宮頸部にとどまり、間質浸潤(がんの広がり)が5mm以下の状態を指します。がんの進行につれて数字は大きくなり、5年後の生存率も低下していくため、早期発見と早期治療が何より大切です。

子宮体がんになりやすい人の
特徴7つと発覚のきっかけ

子宮体がんの罹患・死亡率の年齢別グラフ
  • ・不妊症
  • ・妊娠・出産経験がない、もしくは少ない
  • ・月経不順がある
  • ・閉経が遅い
  • ・肥満、糖尿病、高血圧
  • ・エストロゲン製剤によるホルモン治療を受けている
  • ・家系内にがんにかかった人がいる

一般的に、上記に当てはまる方が子宮体がんになりやすいといわれています。これは、子宮体がんの罹患に卵胞ホルモン(エストロゲン)という女性ホルモンが深く関わっているためです。

子宮体がんは、40~50代にかけて罹患率が高い傾向にあります。しかし、一部の発症は遺伝によるもので、その場合は比較的若い年齢であるケースも珍しくありません。子宮体がんは子宮頸がんと異なり、厚生労働省が推奨するがん検診はありません。検査は、下腹部の痛みや性器出血など、いつもと違う症状が現れた際に受けましょう。

子宮体がんの初期症状「不正出血」に注意

子宮体がんのもっとも多い自覚症状は性器出血(不正出血)で、罹患者の90%以上にみられます。月経以外の期間や、閉経後にもかかわらず出血がある場合は早めに婦人科を受診しましょう。その他の症状には、排尿時・性交時の痛みや下腹部の張りなどが挙げられます。

子宮頸がんと子宮体がんの違い

子宮頸がん 子宮体がん
場所 子宮頸がんの発生場所 子宮体がんの発生場所
危険因子
  • ・HPVの感染(主に性交で感染)
  • ・肥満、糖尿病、高血圧
  • ・未経産婦
  • ・エストロゲン製剤によるホルモン治療
主な症状
  • ・性器出血
  • ・おりものの異常
  • ・下腹や腰の痛み
  • ・性交痛や性交時の出血
  • ・下腹部の張りやしこり
  • ・性器出血
  • ・おりものの異常
  • ・下腹痛
  • ・性交痛
  • ・排尿痛や排尿のしにくさ
予防法
  • ・HPVワクチン
  • ・2年に1回の定期検診
  • ・肥満予防のための、
    バランスの良い食事や適度な運動
  • ・異常がある際の早めの受診

子宮頸がんの検査・検診方法3つ

  • 1.子宮頸がん検査
  • 2.超音波検査
  • 3.HPV遺伝子検査

仙台駅前婦人科クリニックで行っている子宮頸がんの検査は上記の通りです。子宮頸がん検診は、2年に1度の頻度で受けることが推奨されています。

1.子宮頸がん検査

子宮頸がん検査は、主に問診、視診・内診、細胞診を行います。視診・内診では、クスコ(腟鏡)と呼ばれる腟壁を押し広げる器具を用い、子宮頸部を確認します。

細胞診では、専用のブラシで子宮頸部(子宮の入り口)をこすり、細胞を採取します。その後、顕微鏡での判定に基づいて陰性か再検査かの診断を行います。少量の出血が起こることがありますが、痛みはほとんどありません。

2.超音波検査

超音波の機器を腟内に挿入し、子宮全体や卵巣を観察します。子宮頸がんだけでなく、子宮周辺の病気を見つけることができます。

3.HPV遺伝子検査

医師が子宮頸部の細胞を採取し、子宮頸がんの原因となるHPVに感染しているかどうかを調べます。HPVには200以上もの種類がありますが、ハイリスクな型に感染しているかを検査できるため、細胞診と合わせて行うことで、高い精度でがんを発見できます。

子宮体がんの検査・検診方法2つ

  • 1.子宮体がん検査
  • 2.超音波検査

仙台駅前婦人科クリニックで行っている子宮体がんの検査は上記の通りです。一般的に「子宮がん検診」は子宮頸がん検査単体を指すことが多いため、子宮体がんの検査を行いたい方は、事前に検査内容を確認しましょう。

1.子宮体がん検査

子宮頸がんの検診と同じく、主に問診、視診・内診、細胞診を行います。子宮の奥まで器具を挿入して細胞をこすり取りますが、器具の挿入が難しい場合は、超音波検査を行います。

子宮体がんは、がん細胞があったとしても陰性と判断されることが稀にあるため、検査結果が陰性であっても出血などの症状が継続する場合は、再検査、もしくは経過観察を行います。

2.超音波検査

子宮体がんになると子宮内膜の厚みが増すため、超音波検査でもがんの発見が可能です。しかし、がんの初期段階では子宮内膜の厚みが出ていないことがあり、判断が難しい場合があります。

仙台駅前婦人科クリニックの
子宮がんへの取り組み

仙台駅前婦人科クリニックでは、女性の健康を守るために、HPVワクチンの接種や、子宮頸がん・子宮体がんの早期発見に力を入れています。子宮のがんは、定期的な検診や早期治療によって治る病気です。

当クリニックでは、日本産科婦人科学会専門医、日本女性医学学会認定女性ヘルスケア専門医である院長はじめ、婦人科経験豊富な医師が丁寧に診察を行っています。体調の変化や、お身体のことでご不安な点があれば、どんな些細なことでも遠慮なくご相談ください。

子宮がんのよくあるご質問

子宮体癌検査は痛いですか?
A.子宮体がんの細胞診では、子宮の奥に器具を挿入するため、子宮頸がんの検査よりも強い痛みを感じる場合があります。細胞の採取自体は一瞬で終わりますが、我慢できないほどの痛みを感じる場合は、違う病気や炎症が発生している場合もあるため、遠慮なく医師にお伝えください。
子宮頸がんワクチンはどこに打つ注射ですか?
A.子宮頸がんワクチンは、肩の少し下の二の腕に注射する筋肉注射です。筋肉注射は、皮下注射と比較してより深く針を注射するため、痛みが強いと思われがちですが、筋肉は皮膚と比べて痛みを感じる神経が少ないともいわれています。筋肉注射だからといって、特別強く痛みを感じることはないので、ご安心ください。
性行為未経験でも子宮頸がん検診を受けるべきですか?
A.性交渉未経験の方は、子宮頸がん発症の原因となるHPVの感染がないため、罹患リスクはかなり低いといえます。ですが、それ以外の子宮や卵巣の病気は性交渉の有無にかかわらず発症があるため、婦人科で検査を受けましょう。
子宮頸がんや体がんは治る病気ですか?
A.どちらも、早期発見と治療で治すことができる病気です。がんの進行を放置すると、子宮を摘出したり、ほかの部分に転移したりする確率が高まるため、異変を感じたらすぐに婦人科で検診や検査を受けましょう。
子宮頸がんの検査で再検査になり不安です。確実にがんなのでしょうか?
A.いいえ。再検査はがんの診断ではありません。日本対がん協会の調査によれば、子宮頸がんの再検査が必要になった方で、実際に精密検査を受けてがんが発見されたのは、全体の0.01%でした。分かりやすい数字でお伝えすると、子宮頸がん検診を受けた方1万人のうち、精密検査が必要と判定される方は150人、そのうちの1人にがんの罹患が認められます。罹患者であったとしても、子宮頸がんは早期治療で治る病気です。再検査になっても慌てず、できるだけ早く精密検査を受けに行きましょう。

News

お知らせ

  • 2024/4/9

    臨時休診は4月7日です。

  • 2024/03/28

    子宮頸がんワクチンのキャッチアップ接種が2025年3月31日で終了します。くわしくはキャッチアップ接種の終了についてをご覧ください。

  • 2023/01/05

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