子宮筋腫の原因は、過剰な性行為(やりすぎ)ではなく、遺伝子の異常や変化によるものであると考えられています。この記事では、医学的な根拠に基づいた子宮筋腫の原因と、検査・治療について解説します。
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子宮筋腫の原因は
性行為のやりすぎではない
子宮筋腫と性行為に因果関係はありません。
子宮筋腫の原因について、現時点では子宮筋層内の幹細胞に生じる遺伝子異常や変化ではないかとされています。遺伝子の異常による疾患といっても、遺伝性の病気ではありません。
最近、子宮筋腫の約70%にMED12遺伝子の異常が有ると報告されました。その頻度の高さからも、MED12遺伝子に異常が生じて子宮筋腫が出来るのではないか、と推測されています。 引用:一般社団法人 日本内分泌学会
※MED12遺伝子:エストロゲン受容体と相互作用する遺伝子
子宮筋腫の増大には女性ホルモンのエストロゲンが関係すると考えられていますが、これに関しても性行為との関連性は認められていません。なぜなら、性行為によって女性ホルモンの分泌量が大きく左右されることはないためです。
子宮筋腫とは?エコー画像あり
子宮筋腫とは、子宮内にできる良性の腫瘍です。婦人科系の腫瘍性疾患の中でもっとも多くみられ、45歳までに女性の約70%に発生します。
がん(悪性の腫瘍)ではないため、特に症状がないうちは治療の必要はなく、そのまま閉経を迎えて、筋腫が小さくなる方もいます(卵巣から分泌される女性ホルモンの低下によるもの)。ですが、一部の方は、筋腫が増大し、過多月経や月経痛が起こるほか、不妊のリスクが増加する可能性があります。
子宮筋腫の種類と発生部位
筋腫の数や大きさはさまざまで、発生箇所によって症状が異なり、子宮の内側にできる筋腫は「粘膜下筋腫」、子宮の筋肉の中の筋腫は「筋層内筋腫」、子宮の外側の筋腫は「漿膜下筋腫」と呼ばれます。
子宮筋腫が
大きくなる原因はストレス?
子宮筋腫は、ストレスで大きくなることはありません。現時点では、心身のストレスが発症や筋腫の増大に影響しているという医学的根拠が報告されていないからです。
筋腫は女性ホルモンであるエストロゲンによって大きくなることが報告されています。そのため、初経(初めての生理)タイミングが早く、卵巣ホルモンの分泌の期間が長い人(出産経験がない人、妊娠回数の少ない人)は、子宮筋腫が大きくなりやすいとされています。
子宮筋腫の自覚症状チェックリスト
- ☑月経痛が強くなってきている
- ☑月経時にレバーのような血の塊が出る
- ☑経血の量が増えた
- ☑動悸、息切れ、眩暈など貧血の症状が起こりやすい
- ☑下腹部や腰が痛む
- ☑便秘が続いている
- ☑尿の回数が前と比べて多い
子宮筋腫の自覚症状は、月経に関するトラブルや貧血症状が多く挙げられます。筋腫が大きくなると、周りの臓器を圧迫して、頻尿や便秘などの症状も引き起こします。自覚症状のチェック数が多い方や気になる症状がある・症状が続いているなど不安がある方は、一度、医療機関を受診する、医師に相談することを検討するといいでしょう。
子宮筋腫の検査・治療方法
子宮筋腫を小さいうちに発見するためには、定期的な婦人科健診が有効です。
検査方法
- ・内診
- ・超音波検査(エコー検査)
- ・MRI検査
- ・血液検査 など
子宮筋腫の検査は、主に経膣超音波検査(エコー検査)で行います。経膣超音波検査は、膣にプローブと呼ばれる細い専用の検査器具を挿入し、超音波の反射によって子宮や卵巣といった内性器の様子を診る検査です。プローブの挿入時に多少の違和感があるのみで、痛みや出血はほとんどありません。内診や超音波検査などにより、より精密な検査が必要と判断した場合は、MRI検査が行われます。
治療方法
薬物療法 |
【対処療法】
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【偽閉経療法】
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手術療法 |
【妊娠希望有】
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【妊娠希望無】
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子宮筋腫の治療は、大きく分けて「薬物治療」と「外科治療」に分けられます。検査で子宮筋腫が見つかったとしても、必ず治療が必要になるわけではありません。筋腫の大きさや発生部位などにもよりますが、過多月経による貧血症状、月経困難症、不妊などの症状が起きている場合は、治療対象となりうるケースが多いです。
「薬物治療」と「外科治療」に分けた中でも、患者様の症状や筋腫の数・大きさ・発生部位、妊娠希望の有無、妊娠しているか否かによって治療方法は細かく分けられます。数ある治療方法から、それぞれのメリット・デメリット、考えられるリスク、通院間隔などをしっかり把握したうえで、担当医と話し合い、どの治療法を選択するのか検討しましょう。
子宮筋腫を小さくする食べ物はある?
子宮筋腫を小さくする効果が認められている特定の食べ物はありません。しかし、筋腫はエストロゲンによって肥大化することが分かっています。女性ホルモンバランスを乱すような偏った食生活や乱れた生活習慣は、子宮筋腫だけでなく、さまざまな婦人科疾患を悪化させる可能性が高いといえるでしょう。特定の食べ物にこだわらず、栄養バランスの良い食生活を心がけましょう。
子宮筋腫のよくあるご質問
- 子宮筋腫のエコー検査は痛いですか?
- A.子宮筋腫を診るエコー検査は、プロープという細長い棒状の検査用専用器具を膣内に挿入して行います。プローブ挿入時に、多少の違和感があるかもしれませんが、強い痛みや出血が起こることはほとんどありません。
- 食べ物が原因で子宮筋腫になることはありますか?
- A.特定の食べ物が原因で子宮筋腫が発生することはありません。しかし、筋腫の発育には女性ホルモンが関与しているといわれています。ホルモンバランスが大きく崩れるような、乱れた食生活は、子宮筋腫以外の婦人科系疾患も引き起こす可能性があるため、栄養バランスの整った食生活を心がけましょう。
- 子宮筋腫をそのまま放置しておくとどうなるのでしょうか?
- A.子宮筋腫は良性腫瘍です。そのため、腫瘍が小さく無症状の場合は治療を急がず、経過観察だけで問題ありません。しかし、定期的な検査を受けず、放置によって筋腫が大きくなると、月経トラブルや腰・下腹部の痛み、不妊や流産のリスクにつながるため、注意が必要です。子宮筋腫の診断を受けた方は、定期検査を必ず受けましょう。
- 子宮筋腫が大きくなるとどうなるのでしょうか?
- A.子宮筋腫が大きくなると、経血量が多くなったり月経痛が悪化したりするなど、月経に関するトラブルが深刻化するほか、膀胱や腸などを圧迫して便秘、頻尿、腰・下腹部の痛みを引き起こします。何らかの症状がある場合は、早期治療が必要です。
- 子宮筋腫があると、妊娠に影響はありますか?
- A.子宮筋腫の種類によりますが、子宮内膜のすぐ下にできる「粘膜下筋腫」が生じた場合、子宮内膜の変形により受精卵の着床が困難になり、妊娠しにくくなる可能性があります。そのほか、筋腫のできた位置によっては、流産や早産のリスクが高まる可能性があるため、子宮筋腫がある方は定期検診を、ご不安な方は早めに検査を受けましょう。
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2024/03/28
子宮頸がんワクチンのキャッチアップ接種が2025年3月31日で終了します。くわしくはキャッチアップ接種の終了についてをご覧ください。
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2023/01/05
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